建設業向け労務管理システムおすすめ10比較|メリットや選び方も解説
更新日 2026年06月03日
建設業では、現場ごとの勤怠管理や出面管理に加えて、協力会社・一人親方の管理、作業員名簿、資格情報、労働時間の把握など、労務管理が複雑になりがちです。紙やExcelで管理している場合、集計や確認に時間がかかり、法令対応やCCUS対応に不安を感じるケースも少なくありません。
そこで本記事では、建設業向けのおすすめ労務管理システムを比較してご紹介します。あわせて、建設業の労務管理課題、システムでできること、選び方、導入時の注意点も解説します。自社の現場運用に合う労務管理システムを選ぶ参考にしてください。

建設業向け労務管理システムは、現場の勤怠や出面だけでなく、労務手続き、給与計算、従業員情報、協力会社関連の管理まで見て選ぶことが大切です。サービスごとに得意領域や連携機能、導入しやすい企業規模が異なるため、自社の課題に合うものを比較しましょう。
ここからは、建設会社の管理部門や経営層が検討しやすいように、おすすめの労務管理システムをご紹介します。機能名だけでなく、運用面も確認してください。
サービス名 | おすすめの企業 |
|---|
HRBrain | 労務手続きと人材管理をまとめて効率化したい建設会社 |
SmartHR | スマホ対応で現場従業員の労務手続きを進めたい建設会社 |
ジョブカン労務HR | 書類作成や提出状況の管理を効率化したい建設会社 |
KING OF TIME 人事労務 | 勤怠・給与と連携し低コストで労務管理したい建設会社 |
HRMOS労務 | 雇用契約や労務書類をWebで完結したい建設会社 |
freee人事労務 | 勤怠・給与・会計まで一体で管理したい建設会社 |
COMPANY | 複数法人の人事労務基盤を統一したい大手建設会社 |
One人事 | 労務・勤怠・給与・評価を一元管理したい建設会社 |
sai*reco | 組織図や人材情報を活用し配置管理したい建設会社 |
POSITIVE | 複雑な人事制度や大規模運用に対応したい建設会社 |
HRBrain
株式会社HRBrain
出典:HRBrain https://www.hrbrain.jp/
トライアルあり
IT導入補助金対象
上場企業導入実績あり
【こんな企業におすすめ】
・管理部門の労務手続きを効率化したい建設業の方
・自社の業務に合わせてサービスを組み合わせたい方
・運用支援サービスのある労務管理システムをお探しの方
HRBrainは、HRBrain株式会社が提供するクラウド型の人事労務管理システムです。労務管理やタレントマネジメント、採用支援など幅広いサービスを展開しており、4,000社以上の導入実績があります。
労務管理では、入退社手続きや年末調整、Web給与明細、雇用契約書などの文書作成・電子署名、マイナンバー管理に対応。紙やExcelで行っていた労務業務をペーパーレス化し、従業員情報を一元管理できます。建設業では、現場作業員や事務スタッフの入退社、雇用契約、給与明細、年末調整などの管理が煩雑になりやすいため、本社・管理部門の労務手続きを効率化したい場合に適しています。
また、企業ごとの課題に応じてサービスを組み合わせやすく、初期設定から運用支援までサポートを受けられる点も特徴です。現場別の出面管理やCCUS連携を重視する場合は、対応可否を確認した上で検討するとよいでしょう。
主な機能
- 組織サーベイ
- 導入支援・運用支援あり
- 導入支援・運用支援あり
- 電話サポートあり
SmartHR
株式会社SmartHR
出典:SmartHR https://smarthr.jp/
無料プランあり
トライアルあり
IT導入補助金対象
上場企業導入実績あり
【こんな企業におすすめ】
・シェアトップクラスの労務管理システムを安心して導入したい建設業の方
・本部や各現場の労務手続きをスマホ対応で効率化したい方
・外部サービスと連携して人事業務を標準化したい方
SmartHRは、株式会社SmartHRが提供するクラウド人事労務ソフトです。労務管理クラウド市場で7年連続シェアNo.1を獲得しており、登録社数は8万社を突破しています。入社手続き、雇用契約、年末調整、給与明細、従業員情報管理などをオンラインで行えるため、紙の書類回収や転記作業を削減できる点が特徴です。
建設業では、現場作業員や事務スタッフ、管理部門など働く場所や雇用形態が分かれやすく、入退社時の書類回収や従業員情報の更新が煩雑になりがちです。スマホアプリにも対応しているため、ノンデスクワーカーでも手続きを進めやすく、本社と現場間のやり取りを効率化できます。
外部サービスとの連携にも対応しており、従業員データを起点に労務手続きや人事管理を標準化したい建設会社に適したシステムです。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- 簡易検索
- スキル管理
- 導入支援・運用支援あり
ジョブカン労務HR
株式会社DONUTS
出典:ジョブカン労務HR https://lms.jobcan.ne.jp/
無料プランあり
トライアルあり
IT導入補助金対象
上場企業導入実績あり
【こんな企業におすすめ】
・雇用形態の異なる従業員の労務管理も効率化したい建設業の方
・必要書類を自動作成できる労務管理システムを導入したい方
・セキュリティがしっかりしたシステムを安心して利用したい方
ジョブカン労務HRは、株式会社DONUTSが提供するクラウド型の労務管理システムです。従業員情報をクラウド上で一元管理し、社会保険・労働保険の手続き、入退社手続き、年末調整、帳票作成などの労務業務を効率化できます。
建設業では、現場作業員や事務スタッフ、短期雇用の従業員など雇用形態が分かれやすく、書類の回収状況や手続きの進捗管理が煩雑になりがちです。従業員情報をもとに必要書類を自動作成できるほか、ToDoリストで提出状況や対応漏れを確認できます。
また、電子申請機能やマイナンバー管理、SSL暗号化・IP制限などのセキュリティ機能も備えています。30日間の無料トライアルも用意されており、紙やExcelでの労務管理からクラウド管理へ移行したい建設会社に適したサービスです。
主な機能
- 提出依頼の通知
- 導入支援・運用支援あり
- 電話サポートあり
- チャットサポートあり
KING OF TIME 人事労務
株式会社ヒューマンテクノロジーズ
出典:KING OF TIME 人事労務 https://www.kingoftime.jp/hr/main-lp/
【こんな企業におすすめ】
・勤怠管理や給与計算システムと連携できるサービスをお探しの方
・勤務場所や勤務形態の違う職員の労務管理も効率化したい方
・手頃な価格で労務管理システムを導入したい中小の建設業の方
KING OF TIME 人事労務は、株式会社ヒューマンテクノロジーズが提供するクラウド型の人事労務システムです。KING OF TIMEシリーズの勤怠管理・給与計算と連携でき、従業員データの二重入力や更新漏れを防ぎやすい点が特徴です。
建設業では、現場作業員、現場監督、事務スタッフなど勤務場所や勤務形態が分かれやすく、勤怠・給与・労務情報を別々に管理すると確認作業が煩雑になりがちです。従業員情報の管理、履歴管理、マイナンバー対応、e-Gov電子申請などに対応し、バックオフィス 業務を効率化できます。
初期費用0円、月額300円で利用できるため、コストを抑えて労務管理をクラウド化したい中小建設会社にも導入しやすいでしょう。30日間の無料体験やサポート体制が用意されている点も安心材料です。
主な機能
- 電話サポートあり
- 明細配信・照会
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
HRMOS労務
株式会社ビズリーチ
出典:HRMOS労務 https://hrmos.co/payroll/
【こんな企業におすすめ】
・労務関連書類を簡単に作成できるシステムで効率化を促進したい方
・シンプルな操作画面で誰でも使える労務管理システムを導入したい建設業の方
・採用や給与システムとデータ連携して業務負荷の軽減を図りたい方
HRMOS労務は、株式会社ビズリーチが提供するクラウド型の労務管理システムです。雇用契約や入社手続きをWeb上で完結でき、労働条件通知書などの書類配布、社会保険・雇用保険の電子申請、マイナンバー管理、年末調整などを効率化できます。
建設業では、現場作業員や事務スタッフ、短期雇用者などの入退社が発生しやすく、雇用契約書や社会保険関連書類の作成・回収に手間がかかりがちです。テンプレートを活用した書類作成や従業員によるWeb入力により、手入力の負担や記入ミスを減らせる点が強みです。直感的に操作しやすい画面設計で、労務管理に不慣れな担当者でも扱いやすいでしょう。
採用から労務、給与までデータを連携しやすく、管理部門の労務手続きをペーパーレス化したい建設会社に適しています。
主な機能
- 残業手当の自動計算機能
- 導入支援・運用支援あり
- 通勤手当の自動計算機能
- 社会保険料の自動計算機能
freee人事労務
freee株式会社
出典:freee人事労務 https://www.freee.co.jp/hr/
トライアルあり
IT導入補助金対象
上場企業導入実績あり
【こんな企業におすすめ】
・労務管理以外にも会計ソフトなども一緒に導入を検討している方
・勤怠データを連携して給与計算を効率化したい建設業の方
・法改正にも対応している労務管理システムをお探しの方
freee人事労務は、freee株式会社が提供するクラウド型の人事労務システムです。給与計算、勤怠管理、年末調整、雇用契約管理、給与明細の発行などをまとめて管理でき、会計ソフトを含むfreeeの各種サービスと連携しやすい点が特徴です。
建設業では、現場ごとの勤怠集計や各種手当、給与計算、会計処理が別々に管理されると、月次の締め作業や確認に時間がかかりやすくなります。勤怠データを給与計算に反映できるため、転記作業や計算ミスの削減につながります。
また、法改正 への対応やアラート機能、健康診断・ストレスチェックの管理、就業規則作成支援なども利用可能です。人事労務から会計まで一体でクラウド化したい中小建設会社に適しています。
主な機能
- 明細配信・照会
- 残業手当の自動計算機能
- 導入支援・運用支援あり
- 電話サポートあり
COMPANY
株式会社Works Human Intelligence
出典:COMPANY https://www.works-hi.co.jp/products/hcm
【こんな企業におすすめ】
・人事や給与計算など幅広い機能のある労務管理システムを導入したい方
・複数法人などがあり大量の従業員データを管理したい大手建設会社の方
・機能強化などができる保守サポートがあるサービスをお探しの方
COMPANYは、株式会社Works Human Intelligenceが提供する大手法人向けの統合人事システムです。人事管理、給与計算、勤怠管理、タレントマネジメントなどを幅広くカ バーし、入社から退職までの人事労務情報を一元管理できます。
建設業では、支店や営業所、工事部門、グループ会社ごとに勤務ルールや人事制度が異なり、異動・出向・兼務・再雇用などの管理が複雑になりやすい傾向があります。複数法人やシェアードサービスにも対応しやすい設計のため、大量の従業員データを統合し、給与・勤怠・人事情報の管理を標準化したい企業に向いています。
法改正対応や機能強化を含む定額保守サポート、高いセキュリティ環境も特徴です。拠点数や従業員数が多く、人事労務基盤を全社で統一したい中堅・大手建設会社に適したシステムです。
主な機能
- 電話サポートあり
- 簡易検索
- ICカード打刻
- 導入支援・運用支援あり
One人事
One人事株式会社
出典:One人事 https://onehr.jp/
トライアルあり
IT導入補助金対象
上場企業導入実績あり
【こんな企業におすすめ】
・部門間の従業員情報を一元管理したい建設業の方
・労務手続きや勤怠管理を連携して効率化を図りたい方
・評価情報も把握して人材配置を最適化させたい方
One人事は、One人事株式会社が提供する統合型クラウド人事労務システムです。労務、勤怠、給与、人事評価、タレントマネジメントまで幅広く対応しており、人事労務に関する情報を一元管理できます。
建設業では、現場部門、管理部門、営業所、協力会社対応などで人員情報が分散しやすく、勤怠・給与・評価・配置に関するデータを横断的に把握しづらいケースがあります。従業員情報を基盤に、労務手続きや勤怠管理、給与計算、人事評価まで連携しやすくなります。
人材配置や評価情報もあわせて管理できるため、資格・経験・スキルを踏まえた人員把握を進めたい建設会社にも向いています。複数の人事労務システムを個別に運用しており、情報の重複管理や確認作業を減らしたい企業に適したサービスです。
主な機能
- 電話サポートあり
- 導入支援・運用支援あり
- メールサポートあり
- メールサポートあり
sai*reco
株式会社アクティブ アンド カンパニー
出典:sai*reco https://www.aand.co.jp/lp/saireco/
【こんな企業におすすめ】
・建設業での人員配置を分かりやすく管理し人材計画に活かしたい方
・管理項目をカスタマイズして自社の業務にマッチさせたい方
・セキュリティがしっかりしたシステムを安心して利用したい方
sai*recoは、株式会社アクティブ アンド カンパニーが提供するクラウド型のHRオートメーションシステムです。従業員の身上情報や評価履歴、組織図、申請承認フローなどをオンラインで一元管理し、人事労務業務の効率化を支援します。
建設業では、支店・営業所・工事部門ごとに人員配置 が変わりやすく、異動履歴や兼務状況、保有資格、教育履歴を正確に把握することが重要です。組織図機能により、現在だけでなく過去時点の組織や配置も確認しやすく、配置転換や人材計画の検討にも活用できます。
管理項目を自社に合わせてカスタマイズできるため、技能資格や研修受講状況など、建設業で重視される人材データも整理しやすいでしょう。ワークフロー機能や評価機能、セキュリティ対策も備えており、人事情報の可視化と管理業務の標準化を進めたい建設会社に適しています。
主な機能
- 明細配信・照会
- 簡易検索
- 導入支援・運用支援あり
- 導入支援・運用支援あり
POSITIVE
株式会社電通総研
出典:POSITIVE https://hr.dentsusoken.com/product/positive/
【こんな企業におすすめ】
・複雑な人事労務 要件に対応できるシステムを導入したい中堅・大手建設会社の方
・人材データ分析を組織運営の検討に活用できるシステムをお探しの方
・コンサルティングも依頼できるサービスを検討している方
POSITIVEは、株式会社電通総研が提供するクラウド型の統合HCMソリューションです。人事・給与・就業管理、タレントマネジメントなどを1つの基盤で管理でき、3,000社以上の導入実績があります。
建設業では、支店や営業所、工事部門、グループ会社ごとに勤務ルールや人事制度が異なる場合があり、従業員情報や給与・就業データの統合が課題になりやすいです。大規模なグループ経営に対応した設計で、管理項目の自由度も高く、複雑な人事労務要件に合わせた運用を進められます。
さらに、人材データの分析機能を活用すれば、配置や育成、組織運営の検討にも役立ちます。コンサルティングから導入・保守まで支援を受けられるため、全社的な人事DXを進めたい中堅・大手建設会社に適したシステムです。
主な機能
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- オンプレミス(パッケージ)
- オンプレミス(パッケージ)

建設業向け労務管理システムとは、現場で働く従業員の勤怠、出面、労働時間、資格、労務手続きなどをまとめて管理するシステムです。
建設業では、複数現場への直行直帰や協力会社との連携が多く、紙やExcelだけでは情報が分散します。労務管理をシステム化すれば、本社と現場の情報を共有しやすくなり、確認漏れの防止にもつながるでしょう。
勤怠管理システムは、出退勤時刻、休憩、残業、有給休暇など、労働時間の記録と集計を中心に扱います。一方、労務管理システ ムは勤怠に加えて、入退社手続き、雇用契約、社会保険、マイナンバー、給与明細、従業員情報の更新なども管理できます。
建設業では、現場別の勤怠だけでなく、資格や雇用形態、書類の提出状況も把握する必要があります。まずは労働時間だけを管理したいのか、人事労務情報まで整備したいのかを分けて検討してください。目的が曖昧なまま選ぶと、必要な手続き管理が不足する場合があります。
建設業では自社社員だけでなく協力会社や一人親方の管理も重要
建設業の労務管理では、自社社員だけを対象にすると現場の実態をつかみにくくなります。工事現場には協力会社の作業員や一人親方が入ることも多く、誰がいつ現場に入り、どの資格を持ち、必要書類がそろっているかを確認する必要があるためです。
情報が現場担当者の手元だけに残ると、本社側で状況を把握しづらくなります。安全管理や元請としての確認責任にも関わるため、外部人員の情報も含めて整理できる仕組みを選びましょう。労務情報を一元化しておくと、現場変更時の確認もスムーズになり ます。

建設業では、現場の分散、直行直帰、協力会社との連携、法令対応などにより労務管理が複雑になりやすいです。ここからは、紙やExcelだけでは対応しづらい主な理由を、現場管理と管理部門の両面から解説します。
複数現場・直行直帰により労働時間や出面情報を把握しにくい
建設業では、従業員が本社に出社せず現場へ直行し、作業後にそのまま帰宅するケースがあります。複数現場を兼務する場合もあり、誰がどの現場で何時間働いたのかを後から確認するだけでは、実態とのずれが生じやすくなります。
応援勤務や急な現場変更も起こるため、労働時間や出面情報を正確に把握するには、現場単位で記録を残し、本社側でも確認できる仕組みが 必要です。日々の記録を残す運用から整えましょう。
紙の出面表やExcelでは集計・確認作業が属人化しやすい
紙の出面表やExcelは手軽に始められますが、入力ルールや集計方法が担当者ごとに異なると、確認作業が属人化します。月末に転記や突合が集中し、修正履歴も追いにくいため、管理精度を高めるにはシステム化が有効です。
担当者不在時の引き継ぎや監査対応も見据え、情報共有しやすい管理方法へ切り替えましょう。
協力会社・一人親方の資格や安全書類の確認に手間がかかる
協力会社や一人親方が現場に入る場合、資格証、保険情報、安全書類、教育履歴などの確認が必要です。提出状況をメールや紙で管理していると、最新版かどうかを判断しにくく、不備の確認にも時間がかかります。
入場可否に関わる情報が散在すると現場判断も遅れるため、必要情報を事前に整理できる仕組みが求められます。現場ごとの確 認基準もそろえておきましょう。入場前の確認漏れも防げます。
残業時間・休日出勤・休憩時間の実態を正確に把握しにくい
建設現場では、天候や工程の遅れにより残業や休日出勤が発生することがあります。休憩時間も現場状況によって変動しやすく、申告だけに頼ると実態をつかみにくいでしょう。
日々の記録を残し、予定と実績の差を早めに確認できる体制が必要です。長時間労働の兆候を見逃さない運用も欠かせません。客観的な記録を残すことも重要です。
2024年問題を背景に36協定や残業上限の管理が重要になっている
建設業では、2024年4月から時間外労働の上限規制が原則適用されています。時間外労働を行う場合は、36協定の内容と実際の残業時間を照らし合わせて管理する必要があります。
現場単位で労働時間を把握できないと、上限超過に気づくのが遅れる可能性もあります。月次の締め後に確認するだけでは対応が後手になりやすいため、アラートや集計機能を活用し、早い段階で勤務状況を確認できる体制を整えましょう。管理者が途中経過を見られる状態にしておくとよいです。
CCUS対応により技能者情報や就業履歴の管理ニーズが高まっている
CCUS(建設キャリアアップシステム)は、技能者の資格や現場での就業履歴を登録・蓄積し、技能や経験に応じた評価につなげる仕組みです。建設会社では、技能者情報、所属会社、資格、現場での就業履歴を正確に扱う重要性が高まっています。
現場での実績を人材管理に活かすには、情報を個別に保管するだけでは不十分です。労務管理システムを選ぶ際も、技能者情報の整理や関連データの連携をどこまで支援できるか確認しましょう。将来的な処遇改善や人材育成にも役立ちます。
勤怠や出面情報が給与計算、会計、原価管理と分かれていると、同じ情報を何度も入力する必要があります。転記ミスが起きるだけでなく、現場別の労務費を把握するまでに時間がかかるでしょう。
工事別の採算確認にも影響するため、周辺システムとの接続は重要な比較軸です。早い段階で連携範囲を確認してください。月次報告の精度向上にもつながります。
建設業向け労務管理システムでは、勤怠や出面だけでなく、作業員情報、協力会社情報、資格、安全書類、法令対応に関する情報まで管理できます。
主な管理対象を整理すると、以下のとおりです。サービスによって対応範囲は異なるため、比較時は自社で優先したい業務から確認しましょう。
管理できる内容 | 主な対象 | 建設業での活用例 |
|---|
勤怠・労働時間管理 | 出退勤、休憩、残業、休日出勤 | 現場別の勤務実績を記録し、給与計算や残業管理に活用する |
出面・入退場管理 | 現場別の作業員数、入場者、配置状況 | 当日の人員状況を把握し、応援勤務や欠員対応に役立てる |
作業員情報管理 | 作業員名簿、資格、社会保険、健康診断 | 現場入場に必要な情報をまとめて確認し、更新漏れを防ぐ |
協力会社・一人親方管理 | 会社情報、所属作業員、提出書類 | 協力会社ごとの書類提出状況や入場予定者を管理する |
法令対応に関する管理 | 36協定、残業上限、アラート | 残業時間の超過リスクを早めに把握し、勤務調整につなげる |
外部システム連携 | CCUS、給与計算、日報、原価管理 | 労務データを給与計算や工事別原価の把握に活用する |

建設業向け労務管理システムを選ぶ際は、搭載機能の多さだけでなく、自社の現場運用に合うかを確認することが重要です。
特に、現場別の勤怠・出面管理、協力会社情報の管理、法令対応、既存システムとの連携、現場での使いやすさは導入後の定着に直結します。ここからは、比較時に確認したい以下のポイントを解説します。
- 現場別勤怠・出面管理に対応しているか
- スマホ打刻やGPS打刻など現場で使いやすい機能があるか
- 協力会社・一人親方の情報まで管理できるか
- 作業員名簿・資格・安全書類をまとめて管理できるか
- 残業時間や36協定の超過を確認できるか
- CCUS・給与計算・日報・原価管理システムと連携できるか
- 現場担当者や作業員向けのサポート体制があるか
建設業では、従業員ごとの勤怠だけでなく、どの現場に誰が入ったのかを把握できるかが重要です。現場別勤怠や出面管理に対応していれば、工事ごとの勤務実績や人員状況を確認できます。
現場名や工事番号、所属会社などを紐づけて管理できるかも見ておきましょう。単に出退勤時刻を記録できるだけでは、工事別の労務費や配置状況の把握にはつながりにくいため注意が必要です。
スマホ打刻やGPS打刻など現場で使いやすい機能があるか
現場で使うシステムは、作業員が無理なく入力できることが欠かせません。スマホ打刻やGPS打刻に対応し ていれば、直行直帰や複数現場での勤務実績を記録しやすくなります。
あわせて、打刻画面の見やすさ、入力手順の少なさ、通信環境が不安定な場所での運用可否も確認してください。現場にパソコンを置けない場合は、スマートフォンだけで申請や確認まで行えるかが判断材料になります。
元請や中堅建設会社では、協力会社や一人親方の情報まで管理できるかが大切です。自社社員だけでなく、外部人員の所属、連絡先、資格、提出書類を扱えるか確認しましょう。
現場単位で情報を紐づけられれば、入場前の確認を進めやすくなります。協力会社ごとに絞り込める機能があると、書類不備の確認や担当者への連絡も効率化可能です。安全管理や入場管理の精度を高めるためにも、外部人員の情報管理範囲を事前に確認してください。
作業員名簿、資格証、安全書類を別々に管理していると、更新漏れや確認漏れが起きやすくなります。システムを比較する際は、作業員情報と資格・書類を紐づけて管理できるかを確認しましょう。
資格期限や健康診断の有効期限をアラートで知らせる機能があれば、更新対応もしやすくなります。現場入場前に必要な情報を一覧で確認できるかどうかも、実務上の使いやすさを左右するポイントです。
労働時間管理では、残業時間を集計できるだけでなく、36協定や社内基準に近づいた段階で気づける仕組みが必要です。アラート機能があれば、上限超過の前に勤務調整や応援配置を検討できます。
建設業では現場ごとに繁忙期が異なるため、月末にまとめて確認する運用では対応が遅れる可能性があります。現場責任者と管理部門の双方が途中経過を確認できるシステムを選ぶと、労務リスクを早めに把握できるでしょう。
CCUS・給与計算・日報・原価管理システムと連携できるか
労務情報をほかのシステムと連携できるかも確認しておきたいポイントです。CCUS、給与計算、日報、原価管理システムと連携できれば、勤怠や出面の情報を二重入力せずに活用できます。
特に、工事別の労務費を把握したい場合は、勤怠データと原価管理の接続方法を確認しておくと安心です。API連携、CSV出力、手動取り込みなど、実際の運用に合う方法かどうかまで見ておきましょう。
建設業向け労務管理システムは、導入後に現場で使われてこそ効果を発揮します。初期設定支援、操作マニュアル、問い合わせ対応、説明会の有無を確認しましょう。
現場監督や作業員が操作に迷うと、打刻漏れや申請漏れが増え、紙やExcelとの二重管理に戻るおそれがあります。ITに不慣れな従業員がいる場合は、管理者向けだけでなく、現場利用者向けのサポートが用意されているかも重要です。
建設業の労務管理では、労働時間や休日、36協定、CCUSなど制度面の理解も欠かせません。
ここからは、システム選定時にも確認しておきたい法令・制度対応のポイントを解説します。特に建設業では、2024年問題を背景に労働時間管理の重要性が高まっています。制度を理解した上で、管理に必要な機能を確認しましょう。
就業規則には勤怠・残業・休日出勤のルールを明記する
就業規則には、始業・終業時刻、休憩、休日、残業、休日出勤などのルールを明記する必要があります。建設業では現場ごとに勤務時間が変わりやすいため、運用ルールが曖昧だと申請や承認の判断がぶれます。
システム導入前に、実態に合う規程になっているか確認しまし ょう。現場ごとの慣習だけで運用すると、担当者によって処理が変わってしまいます。就業規則とシステム設定をそろえることが大切です。
労働時間、休憩、休日は、労務管理の基本となる項目です。建設現場では、移動、待機、天候による中断などが発生しやすいため、どの時間を労働時間として扱うか整理しておく必要があります。
システムでは、申請や承認の流れをルールに合わせて設定できるか確認してください。紙の日報や口頭報告だけでは、後から確認しづらい場面もあります。客観的な記録を残せる仕組みを整えましょう。
時間外労働がある場合は36協定と残業上限の管理が必要になる
法定労働時間を超えて働く場合は、36協定の締結と届け出が必要です。建設業でも、災害時の復旧・復興事業を除き、時間外労働の上限規制が原則適用されています。残業時間を現場ごとに集計できないと、超過の兆候を見落とす可能性があります。
上限に近づいた際の通知や集計機能を確認しましょう。管理部門だけでなく、現場責任者も状況を確認できる状態にしておくと、勤務調整を早めに行えます。
みなし労働時間制は勤務実態に応じて適用可否を確認する
みなし労働時間制は、実際の労働時間にかかわらず一定時間働いたものとみなす制度です。ただし、建設現場の働き方に一律で適用できるとは限りません。勤務実態や指揮命令の状況によって判断が分かれるため、導入前に社労士など専門家へ確認すると安心です。
制度を利用する場合でも、実際の労働時間を把握できる仕組みを整えておきましょう。制度名だけで判断せず、自社の現場運用と照らし合わせることが重要です。
CCUS対応では技能者情報と就業履歴の管理が重要になる
CCUS対応では、技能者の資格、所属、経験、現場での就業履歴を正しく管理することが必要です。これらの情報は、技能や経験に応じた処遇改善にも関わります。
労務管理システムを活用する場合は、技能者情報をどこまで登録できるか、現場での就業記録とどのように結びつけられるかを確認してください。自社社員だけでなく、協力会社の技能者を含めた確認が必要になる場合もあります。現場単位で情報を整理できるか見ておきましょう。

労務管理システムの効果は、単に作業時間を減らすことだけではありません。
ここからは、導入によって建設会社が得られる主なメリットを解説します。導入後にどのような業務改善につながるかを押さえておくと、比較検討しやすくなるでしょう。
現場ごとの労働時間や出面情報をリアルタイムで把握できる
労務管理システムを導入すると、現場ごとの労働時間や出面情報を早い段階で確認できます。紙の提出を待たずに状況を把握できるため、欠員や残業の偏りにも気づきやすくなります。
現場と本社の認識差を減らせる点もメリットです。工程変更や応援依頼が必要な場面でも、最新情報をもとに判断できます。管理者が早めに動ける点が大きな価値です。
システム上で勤怠や労務情報を集約できれば、紙やExcelへの転記作業を減らせます。月末に出面表を集めて確認する負担も軽くなり、集計ミスの防止にもつながるでしょう。
管理部門が確認や改善業務に時間を活用できるようになります。また、担当者の経験に頼った作業を減らせるため、引き継ぎや繁忙期の対応もしやすくなるでしょう。事務負担の平準化にも有効です。
協力会社や作業員の情報をまとめて管理できれば、資格や提出書類の確認にかかる時間を短縮できます。現場ごとに担当者へ確認する手間が減り、必要な情報をすばやく探せます。
入場前の確認漏れを防ぎやすくなる点も利点です。担当者が変わっても同じ情報を参照できるため確認品質を保て、現場対応のスピードも上がるでしょう。
残業時間や休日出勤をシステムで集計すると、長時間労働の傾向を把握しやすくなります。上限に近づいた従業員を早めに確認できれば、勤務調整や応援手配を検討可能です。
法令対応だけでなく、働きやすい現場づくりにもつながります。月末にまとめて確認する運用よりも、早い段階で負荷の偏りを見つけられ、無理な働き方を防ぐ判断にも役立ちます。
労務費や人 員配置を把握しやすくなり現場管理に活かせる
勤怠や出面情報を工事別に整理できると、労務費や人員配置を把握可能です。どの現場に人員が集中しているか、予定より労務費が増えていないかを確認できます。
採算管理や次の人員計画にも活用しやすいでしょう。経験や勘に頼った配置判断を減らせるため、管理者同士で状況を共有でき、現場改善の材料にもなります。
労務管理システムは、導入すればすぐに現場へ定着するものではありません。建設業では、現場ごとに勤怠や出面の管理方法が異なり、協力会社とのやり取りや既存システムとの連携も発生します。
導入効果を高めるには、現場の運用を整理した上で、入力方法や権限設定、例外対応のルールまで事前に決めておくことが大切です。
導入前に現場ごとの勤怠・出面・書類管理の流れを整理する
導入前には、現場ごとの勤怠、出面、書類管理の流れを洗い出しておきましょう。現状の運用を把握しないままシステムを設定すると、必要な管理項目が抜けたり、現場の作業手順と合わなかったりするおそれがあります。
誰が入力し、誰が確認し、どのタイミングで締めるのかを整理 しておくことで、導入後の混乱を抑えられます。紙やExcelで残す業務がある場合も、システム化する範囲とあわせて確認してください。
現場で利用するシステムは、作業員が無理なく入力できる方法を選ぶことが重要です。スマホ、タブレット、ICカードなどの打刻方法が現場環境に合っていないと、入力漏れや確認作業の増加につながります。
特に、屋外作業が多い現場や通信環境が安定しない場所では、操作手順の少なさや画面の見やすさも確認しておくべきです。導入前に実際の利用者に試してもらい、現場で継続できる運用かを判断しましょう。
本社、現場監督、協力会社では、それぞれ確認すべき情報や操作できる範囲が異なります。権限設定を曖昧にしたまま運用を始めると、必要な情報にアクセスできなかったり、共有すべきでない個人情報まで閲覧できたりする可能性があります。
例えば、本社は全体の労務情報を確認し、現場監督は担当現場の勤怠や出面を管理するなど、役割ごとに権限を分ける設計が必要です。情報管理の安全性を保つためにも、導入前に閲覧・編集範囲を決めておきましょう。
既存の給与計算ソフトや原価管理システムとの連携を確認する
労務管理システムを導入する際は、既存の給与計算ソフトや原価管理システムと連携できるかを確認してください。勤怠や出面のデータを別システムへ手入力する運用が残ると、転記ミスや二重管理の原因になります。
CSV出力、API連携、給与計算ソフトへの取り込みなど、どの方法でデータを受け渡せるのかを事前に把握しておくことが重要です。工事別の労務費を管理したい場合は、現場名や工事番号を連携できるかも確認しておきましょう。
打刻漏れや申請漏れが起きた場合の運用ルールを決める
打刻漏れや申請漏れは、システム導入後も発生する可能性があります。例外対応のルールが決まっていないと、現場ごとに処理方法が変わり、勤怠データの信頼性が下がってしまいます。
修正申請を誰が行うのか、承認者は誰か、いつまでに対応するのかを明確にしておきましょう。あわせて、修正履歴や承認記録を残せるかも確認してください。例外処理を標準化しておくことで、管理部門の判断負担を減らし、労務管理の精度を保てます。
導入後は、管理者向けと現場利用者向けに分けてマニュアルを整備しましょう。操作方法だけでなく、打刻のタイミング、申請期限、修正時の連絡方法まで具体的に伝えることが大切です。
説明が不足したまま運用を始めると、現場からの問い合わせが増え、管理部門の負担がかえって大きくなる場合があります。初期段階では説明会や問い合わせ窓口を設け、よくある質問を社内に共有すると定着が 進みます。運用開始後も、現場からの意見をもとにルールを見直しましょう。
まとめ|建設業向け労務管理システムは現場運用と法令対応の両面で選びましょう
建設業向け労務管理システムを選ぶ際は、勤怠管理や出面管理だけでなく、協力会社管理、作業員名簿、資格、安全書類、給与計算、原価管理との連携まで確認することが大切です。特に、複数現場や直行直帰が多い建設業では、現場で入力しやすく、本社側でも状況を把握できる仕組みが求められます。
あわせて、36協定や残業上限、CCUSなど法令・制度対応に必要な管理範囲も確認しましょう。自社の規模や現場運用に合うシステムを比較し、無理なく定着できるものを選んでください。導入前には、現在の管理方法や改善したい業務を整理し、必要な機能を明確にしておくと比較しやすくなります。
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