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医療機器メーカーに強いシステム開発会社5選|選び方も解説

更新日 2025年11月11日

医療業界に強いシステム開発会社
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医療機器メーカーでは、製品開発だけでなく、それを支える情報システムや機器連携、製造・品質管理・アフターサービスまでを一貫して整備することが、競争力確保の鍵となっています。しかし、「医療機器特有の規制・安全要件・医療機関とのデータ連携」を熟知しているシステム開発会社を見つけるのは簡単ではありません。
本記事では、医療機器メーカーがシステム開発会社を選ぶ際に押さえておきたい特徴やチェック項目を整理し、さらに医療機器メーカーならではの視点に強みを持つおすすめ企業を5社ご紹介します。自社の開発パートナー選びの参考にしてください。

医療機器メーカーがシステム開発を検討すべき背景

医療機器メーカーシステム開発イメージ画像
医療機器メーカーでは、製品の高性能化やデジタル医療の進展に伴い、ソフトウェアやクラウドを活用したシステム開発が欠かせなくなっています。従来のハードウェア中心の開発だけでは、製品の品質保証やトレーサビリティ、医療機関とのデータ連携などに限界が生じています。
近年では、遠隔診断やAI解析など新しい医療価値を生み出す仕組みづくりも求められており、IT技術と医療機器開発の融合が競争力の源泉となっています。こうした背景から、多くのメーカーが自社開発に加え、専門のシステム開発会社との協業を進めています。

医療機器のライフサイクル管理とシステム化の必要性

医療機器は、設計・製造から販売、保守、廃棄まで長期的なライフサイクルで運用されます。そのため、各工程の情報を一元管理するPLM(製品ライフサイクル管理)システムの導入が重要です。手作業やExcelでの管理では、型式変更や部品トレーサビリティの追跡が難しく、認証審査や品質監査でリスクを抱えやすくなります。
例えば、大手メーカーではクラウドベースのPLMやMES(製造実行システム)を導入し、設計変更の履歴や検査データをリアルタイムに共有する仕組みを構築しています。これにより、開発効率とコンプライアンスの両立が実現可能です。今後はAIによる予知保全やリスク予測など、ライフサイクル全体を支えるシステム化が進むでしょう。

医療機器メーカー特有の規制・品質要求(GMP/ISO13485/医療機器認証)とシステム依存

医療機器の開発・製造には、GMP(適正製造基準)ISO13485(医療機器品質マネジメントシステム)など厳格な規制があります。これらの基準では、設計・製造・出荷に関する全プロセスの記録保持と変更管理が求められます。
そこで、電子記録・電子署名(ER/ES)対応の文書管理システムを導入することで、設計・検証・承認の各履歴を自動的に記録し、トレーサビリティを担保できます。 品質マネジメントを支えるIT基盤を整えることは、規制対応の効率化と製品価値の向上を両立する唯一の手段といえるでしょう。

医療機器と医療機関システムとの連携ニーズ

医療機器の価値は、単体性能だけでなく他システムとの連携力にも左右されます。現在、多くの医療機関では、電子カルテやPACS(医用画像システム)などと医療機器を統合し、データを自動連携させる仕組みの需要が高まっています。
標準通信規格であるHL7やFHIRを利用することで、計測データや画像情報を安全に共有でき、現場の入力負担やヒューマンエラーを減らすことが可能です。また、遠隔診断やクラウド分析の普及により、医療機器メーカーは自社製品をデジタル医療の基盤として活用する動きも広がっています。今後は、医療機器とシステムを統合的に設計・運用できる体制が求められるでしょう。

医療機器メーカーならではのシステム開発課題

医療機器メーカーシステム開発イメージ画像
医療機器の開発では、技術力だけでなく法規制・品質保証・セキュリティといった多面的な要件への対応が必要です。一般的な製造業よりも要求水準が高く、開発プロセス全体に専門的な知見が求められます。
ここからは、医療機器メーカーが直面しやすい主要な課題を3つの観点から見ていきます。

薬機法・安全性試験・品質保証への適合が求められる

医療機器関連システムの開発では、薬機法や関連ガイドラインに沿った開発体制を構築することが不可欠です。特にソフトウェアを医療機器として扱う場合は、開発プロセスやテスト手順を標準化し、文書で証明できるようにする必要があります。
IEC62304(医療機器ソフトウェアのライフサイクルプロセス)などの国際規格に準拠することで、品質の一貫性と安全性を確保できます。開発部門と品質保証部門が連携し、リスク分析・テスト・文書化を並行して進める仕組みが重要です。こうした体制を整えることで、認証審査や監査対応を円滑に進めることができ、開発全体の信頼性が高まります。

試作品段階からの仕様変更・検証対応の多さ

医療機器の開発では、臨床評価や実機検証の結果を踏まえて仕様変更が繰り返されるケースが多くあります。初期段階で要件を完全に確定できないため、柔軟な変更対応力が求められます。こうした特性に対応するには、アジャイル型の開発体制や、自動テストによる検証環境の整備が有効です。
また、開発者・品質保証担当・医療従事者がリアルタイムで試作データを共有できる仕組みを整えることで、修正の手戻りを減らすことができます。仕様変更を前提としたプロセス設計と、変更管理のスピードを重視する姿勢が、医療機器開発を成功に導く鍵となります。

セキュリティ・プライバシーリスクへの高度な対策

医療機器は、個人の診療情報やバイタルデータなど、極めて機密性の高い情報を扱います。近年では、クラウド接続や遠隔モニタリングが一般化しており、データ保護対策の重要性が増しています。暗号化通信、多要素認証、アクセス制御、ログ監査などを実装し、設計段階からセキュリティを考慮する「セキュア・バイ・デザイン」の考え方が求められます。
また、法規制や国際ガイドラインに基づいたサイバーセキュリティマネジメントを導入することで、医療機関との信頼性を確保できます。医療機器メーカーは、セキュリティリスクを早期に洗い出し、技術と運用の両面から防御を強化することが重要です。

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医療機器メーカーがシステム開発会社を選ぶ際のポイント

医療機器メーカーシステム開発イメージ画像
医療機器メーカーに適した開発パートナーを選ぶ際は、「医療業界特有の要件理解」と「高い技術力」を兼ね備えているかが大きな判断基準となります。ここからは、信頼できる開発会社を見極めるための主要なポイントをご紹介します。

医療・医療機器業界の開発実績があるか

医療機器開発の特性を理解した企業でなければ、適切な設計判断や文書対応ができません。 医療分野での開発実績がある会社は、薬機法や品質保証体制に基づくプロセス運用を理解しており、トラブル発生時の対応力も高い傾向があります。
実績の有無を確認する際は、「どのような工程(要件定義・設計・バリデーション)を支援したか」を具体的に確認しましょう。 医療業界特有の制約や文化に精通した開発会社を選ぶことで、スムーズで確実な開発進行が期待できます。

法規制・認証対応に関する知見(ISO13485・IEC62304など)

医療機器開発では、品質マネジメントやソフトウェアライフサイクルの国際規格を理解しているパートナーが不可欠です。ISO13485IEC62304などの基準に沿った文書管理・設計手法を実践できる企業は、審査対応を見据えた開発を得意としています。  
例えば、リスク分析やトレーサビリティ確保のプロセスを設計段階から組み込める会社であれば、後工程の手戻りを減らし、品質を保ちながら開発を進められます。医療機器メーカーは、これらの国際基準に基づく開発プロセスを社内外で共有できる開発会社を選定するようにしましょう。

機器との通信・クラウド連携など技術対応力

医療機器のデジタル化が進む中で、通信やクラウド連携への対応力は欠かせません。製品データを安全に転送し、医療機関システムと連携させるためには、IoT通信・API設計・クラウドインフラ構築など幅広い技術知識が必要です。
開発会社の技術力を見極める際は、通信プロトコル(HL7、FHIR)やクラウド(AWS、Azureなど)の対応実績を確認すると良いでしょう。 機器とクラウドをつなぐ技術を持つパートナーを選ぶことで、将来的な拡張性やデータ活用の幅が広がります。

安全性・セキュリティ設計の実績

医療機器の安全性とデータ保護を担保できるシステム設計力は、開発会社を選ぶうえで重要な要素です。 個人情報を扱うシステムでは、暗号化・認証・アクセス権限設計などのセキュリティ要件を確実に実装できる技術が必要です。 また、セキュリティ診断や脆弱性テストの実績がある会社は、サイバーリスクへの対応力も高いといえます。
医療機器メーカーは、セキュリティを後付けではなく「設計段階で組み込む思想」を持つ開発会社を選ぶことで、長期的な安全性を確保できます。   

長期的な運用・保守体制の有無

医療機器システムはリリース後も法改正やOS更新への対応が続くため、長期的なサポート体制が不可欠です。保守専任チームや24時間対応体制を持つ企業であれば、障害発生時のリスクを最小化できます。
また、SLA(サービス品質保証契約)を明文化し、対応範囲・稼働率・更新頻度を明確にすることで、安定した運用が可能になります。   医療機器メーカーは、単発の開発支援ではなく、ライフサイクル全体を見据えた継続的パートナーシップを築ける会社を選ぶことが重要です。

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医療機器メーカーに強いおすすめのシステム開発会社5選

ここからは、医療機器メーカーに強いおすすめのシステム開発会社を厳選してご紹介します。それぞれの強みや特徴を踏まえて、自社にあったシステム開発会社を探してみてください。

1.株式会社アイ・エス・ビー

株式会社アイ・エス・ビー

出典:株式会社アイ・エス・ビー株式会社アイ・エス・ビー

株式会社アイ・エス・ビーは、医療情報システムや医療機器開発に強みを持つソフトウェア開発企業です。IoT・クラウド・AIなどの先端技術を活用し、病院や医療機器メーカー向けに高品質かつセキュアなシステムを提供しています。電子カルテや診療支援システムの構築から、超音波診断装置・CT・MRIなどのソフトウェア開発、クラウド型医療データ基盤の構築まで幅広く対応。医療現場の業務効率化と安全性向上を支える技術力が評価されています。

株式会社アイ・エス・ビーの特徴

2.株式会社エヌアイデイ

株式会社エヌアイデイ

出典:株式会社エヌアイデイ株式会社エヌアイデイ

株式会社エヌアイデイは、医療・ヘルスケア分野をはじめとする多様な業界でシステム開発を手がけるITソリューション企業です。30年以上にわたり医療機器や院内情報システムの開発を行い、クラウドやIoT技術を活用して医療現場の効率化と安全性向上に貢献しています。生体情報モニタや急性期患者情報システムなどの開発実績を持ち、AWSによるクラウドインフラ構築にも対応。国際規格やセキュリティ基準を踏まえた高品質なシステム設計が強みです。

株式会社エヌアイデイの特徴

3.株式会社クエスト

株式会社クエスト

出典:株式会社クエスト株式会社クエスト

株式会社クエストは、医療・ヘルスケア領域を含む幅広い業界でITソリューションを提供する企業です。医療分野では、遠隔診療システムやAIを活用した診断支援、健診データのクラウド管理など、医療機器・病院向けのデジタルサービスを展開しています。AWSやAzureなどのクラウド技術、AIセキュリティ、RPAなどを活かし、業務効率化と医療品質の向上を支援。ユーザー視点を重視したUX設計と高いセキュリティ対策で、医療機器メーカーや医療機関のシステム開発パートナーとして信頼を集めています。

株式会社クエストの特徴

4.日本ソフテック株式会社(A/4 Medical Device)

日本ソフテック株式会社(A/4 Medical Device)

出典:日本ソフテック株式会社(A/4 Medical Device)日本ソフテック株式会社(A/4 Medical Device)

日本ソフテック株式会社が運営するA/4 Medical Deviceは、医療機器ディーラー向けに特化した販売・在庫管理システムです。医療業界特有の商習慣やマスタ管理に対応し、ロット・シリアル・滅菌期限ごとの在庫管理を可能にするなど、正確かつ効率的な業務運用を支援します。GS1-128バーコードスキャンによる迅速な入出庫処理や、リアルタイムでの在庫・伝票データの可視化を実現。さらに、自社開発による柔軟なカスタマイズ性とクラウド対応で、遠隔拠点からのアクセスにも対応しています。

日本ソフテック株式会社(A/4 Medical Device)の特徴

5.株式会社リベルワークス

株式会社リベルワークス

出典:株式会社リベルワークス株式会社リベルワークス

株式会社リベルワークスは、医療機器および医療ソフトウェアの開発・認証・品質管理(QMS)を専門とする企業です。IEC62304やISO13485などの国際規格に準拠した開発体制を整え、薬機法に基づく認証取得やリスクマネジメント、輸出入支援までをワンストップで対応。特に、医療機器におけるサイバーセキュリティ対策にも注力しており、安全で信頼性の高い製品化を支援しています。医療機器メーカーやスタートアップ企業に向け、柔軟かつ実践的なコンサルティングを提供している点も特徴です。

株式会社リベルワークスの特徴

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医療機器メーカーがシステム開発を成功させるための進め方と注意点

医療機器メーカーシステム開発イメージ画像
医療機器メーカーがシステム開発を成功させるには、技術面だけでなく、リスク管理や現場連携などのプロジェクト運営を重視することが重要です。特に、開発の初期段階から法規制・ユーザビリティ・セキュリティを統合的に考慮することで、後戻りのない堅実な開発が可能になります。
ここでは、開発工程を通して押さえておくべ重要ポイントをご紹介します。

要件定義段階でのリスク分析と変更管理体制の整備

医療機器システム開発では、要件定義段階でリスクを正確に把握することが重要です。開発初期に潜在的な不具合や安全リスクを特定しないまま進めると、後工程での再設計や試験やり直しが発生し、コストと納期の両方に大きな影響を与えます。
そのため、FMEA(故障モード影響解析)やFTA(故障の木解析)といった手法を活用して、想定されるリスクの発生確率と影響度を定量的に評価します。さらに、設計変更の発生に備えて承認・記録・追跡の仕組みをシステム上で管理することで、文書の整合性とトレーサビリティを確保できます。
リスク分析と変更管理を初期段階から組み込むことは、医療機器システムの品質と安全性を守るのに有効的な手段です。

医療現場やユーザー部門との早期連携による課題抽出

医療機器システムを実用化するうえで欠かせないのは、医療現場やユーザー部門との早期連携です。 開発チームだけで要件を決めると、実際の現場で「使いにくい」「操作が複雑」といった問題が起きやすくなります。こうしたミスマッチを防ぐために、初期段階から医師・看護師・技術スタッフなどの意見を反映させることが大切です。  
例えば、ワークショップ形式で操作フローを共有し、UI(操作画面)やアラート設定の改善点を洗い出す方法があります。また、プロトタイプを用いて現場シミュレーションを行うことで、設計上の課題を早期に発見できます。現場視点の意見を開発プロセスに組み込むことで、安全性とユーザビリティを両立したシステムを構築できるのです。  

バリデーション・テスト工程の重要性

医療機器システム開発において、バリデーション(検証)工程は品質保証の中核を担います。単にプログラムが動作するかどうかではなく、「要求仕様どおりに、安全かつ一貫して動作しているか」を証明することが目的です。この工程を軽視すると、認証審査や運用段階で不具合が発生し、製品回収などの重大なリスクにつながります。
有効な方法としては、テスト仕様書や試験結果を体系的に記録し、トレーサビリティを確保することが挙げられます。自動テストツールの活用や第三者レビューを導入すれば、検証の客観性と精度を高められます。バリデーション工程を単なる「最終確認」ではなく、開発初期から計画的に組み込むことで、安全性と信頼性を兼ね備えたシステムが実現します。

開発後の運用・サポートフェーズを見据えた契約設計

医療機器システムの開発では、リリース後の運用とサポートを前提に契約を設計することが欠かせません。法改正やセキュリティ要件の変更に迅速に対応できない契約形態では、長期的なリスクを抱えることになります。特に、ソフトウェアのバージョンアップや障害対応をどう行うかを事前に明確化しておくことが重要です。
そのため、SLA(サービス品質保証契約)を設定し、対応時間・稼働率・更新頻度などの基準を共有することが推奨されます。また、リモートアップデートや監視体制を整備することで、現場対応コストを削減しながら品質を維持できます。開発契約を「納品で完結するもの」ではなく、「継続的な品質保証の枠組み」として捉えることが、医療機器メーカーの信頼性向上につながります。   

まとめ|医療機器メーカーは「規制×技術」に強い開発パートナーを選ぼう

医療機器メーカーがシステム開発を成功させる鍵は、規制対応力と技術力を両立できる開発パートナーの選定にあります。 医療機器は、薬機法ISO13485などの法規制を遵守しながら、安全性・信頼性・拡張性を満たす設計が求められる特殊な領域です。
開発会社がこれらの要件を理解していないと、リスク評価の不備や認証遅延など、事業全体に影響する問題を招く恐れがあります。 一方で、医療機関システムとの連携やクラウド運用、セキュリティ強化まで視野に入れた技術基盤を構築できれば、製品の価値は大きく高まります。
法規制に精通し、技術・品質・運用の各フェーズを一体で支援できる開発パートナーを選ぶことこそ、医療機器メーカーが信頼性と成長を両立させる最も確実な道といえるでしょう。

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著者
業界DX最強ナビ編集部
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