小売業におすすめの会計ソフト5選|POS、EC連携、多店舗管理で徹底比較
更新日 2026年02月27日
小売業では、日々の売上処理や在庫管理、複数店舗の管理など、経理業務が複雑になりがちです。特にPOSレジやネットショップを活用している場合、「売上を自動で会計ソフトに取り込みたい」「二重入力をなくしたい」といった課題を抱えるケースも少なくありません。
一方で、会計ソフトは種類が多く、どれが 小売業に適しているのか判断が難しいのも事実です。
そこで本記事では、小売業に特化した視点でおすすめの会計ソフトをご紹介。あわせてPOS・EC連携や料金、選び方のポイントまで詳しく解説します。導入判断に役立つ情報を整理していますので、ぜひ参考にしてください。

小売業では、POSレジやECの売上データをいかに効率よく会計処理へ反映できるかが重要です。手入力が多い環境では、締め作業の負担や入力ミスが発生しやすくなります。
ここでは、POS・EC連携や多店舗管理に対応した小売業向け会計ソフトを厳選してご紹介します。
弥生会計 Next
弥生株式会社
出典:弥生会計 Next https://www.yayoi-kk.co.jp/kaikei/
弥生会計は会計ソフト・業務ソフトのシリーズです。中小企業や個人事業主向けの会計・確定申告・販売管理・給与計算ソフトを開発・販売しており、国内で長年にわたって多くの事業者に利用されています。弥生シリーズは登録ユーザー数が数百万人にのぼり、実績と信頼性の高い業務基盤として評価されています。
弥生の主力製品には、クラウド版・デスクトップ版の会計ソフト「弥生会計」や、個人事業主向けの「やよいの青色申告/白色申告」、請求書作成・販売管理を担う「弥生販売」などがあり、バックオフィス業務全般をカバーします。クラウドサービス「弥生 Next」は、会計・請求・経費精算など複数機能をまとめてオンラインで効率化できる設計で、初めての導入でもスムーズな運用が可能です。
小売業においては、売上や仕入・在庫管理と連動した取引データの取り込みや帳簿作成をサポートし、日々の経理業務負担を軽減します。また、請求・納品・支払など業務フローを一元化できるため、複数店舗や多品種商品の管理にも対応しやすい点が特長です。導入後はリアルタイムで数字を把握しやすく、経営判断の迅速化にも役立ちます。
主な機能
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- チャットサポートあり
- 電子帳簿保存法対応
freee会計
freee株式会社
出典:freee会計 https://www.freee.co.jp/erp-professional.html?fr=top_lfo&set_ip2cinfo=true
トライアルあり
IT導入補助金対象
上場企業導入実績あり
freee会計は、フリー株式会社が提供するクラウド型会計ソフトです。銀行口座やクレジットカードなどの外部サービスと連携し、取引明細を自動で取り込み・仕訳できる点が特長です。日々の入力 作業を削減し、帳簿作成から決算業務まで一元管理できます。
小売業においては、売上、仕入、経費など取引件数が多くなりがちな業態でも、データ連携による自動化で経理負担を軽減できます。クラウド型のため複数店舗のデータ共有や、税理士とのリアルタイム連携にも対応可能です。
会計を中心に、請求書作成や人事労務などの関連サービスとも連携できるため、バックオフィス全体を効率化したい小売事業者に適した会計ソフトといえます。
主な機能
- 財務会計
- 電話サポートあり
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
マネーフォワード クラウ ド会計
株式会社マネーフォワード
出典:マネーフォワード クラウド会計 https://biz.moneyforward.com/
トライアルあり
IT導入補助金対象
上場企業導入実績あり
マネーフォワード クラウド会計は、マネーフォワード株式会社が提供するクラウド型の会計・経理ソフトです。銀行口座やクレジットカード、請求書データなどと連携して取引情報を自動で取り込み、仕訳や帳簿作成を効率化する機能を備えています。中小企業や法人の経理・財務業務をオンラインで完結できる設計で、帳簿作成・決算書類の自動化、リアルタイムな経営レポート出力まで対応します。初期費用が不要で、導入しやすい点も特長です。
このサービスは単体の会計ソフトとしてだけでなく、請求書管理、経費精算、人事労務、給与計算などバックオフィス全体の効率化ツール群とも連携可能なクラウドプラットフォームの一部として提供されています。必要な機能だけを組み合わせて導入できるため、成長段階や業務課題に応じた柔軟な運用ができます。
小売業の導入では、多数の売上、仕入取引の自動取り込みによって経理担当者の手入力負担を軽減し、リアルタイムでキャッシュフローや利益状況を把握できる点がメリットです。また、他のバックオフィス機能と連携することで、請求・入金管理や支出管理まで含めた統合運用も可能になります。
主な機能
- メールサポートあり
- チャットサポートあり
- 電子帳簿保存法対応
- Mac対応
勘定奉行クラウド
株式会社オービックビジネスコンサルタント
出典:勘定奉行クラウド https://www.obc.co.jp/
勘定奉行クラウドは、株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)が提供するクラウド型の会計ソフトです。OBCは1980年設立の基幹業務 ソフトウェアの開発メーカーで、「奉行シリーズ」と呼ばれる業務クラウドを通じて、企業の経理・人事・給与・販売管理などの業務効率化を支援しています。累計導入実績は80万件以上を誇ります。
証憑データの読み取りやAIによる自動仕訳機能を備え、日々の取引入力から試算表・決算書作成までの経理プロセスを効率化するクラウド会計ソフトです。自動仕訳ルールや仕訳チェック機能により、手入力によるミスを削減しつつ、経理DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進できます。税理士などとのリアルタイムなデータ共有も可能で、月次決算のスピード改善に寄与します。
小売業の導入では、売上・仕入・支払などの取引データを統合的に処理し、経理担当者の負担を軽減しながら正確な財務情報の可視化に役立ちます。また、POSシステムや他の基幹システムとのデータ連携にも対応しているため、複数店舗や多数取引の管理が求められる業態でも活用しやすい設計です。クラウド基盤でセキュリティ面も強化されており、安心して継続的な運用が可能です。
主な機能
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- 電子帳簿保存法対応
- AIによる勘定科目の提案機能
PCAクラウド会計
ピー・シー・エー株式会社
出典:PCAクラウド会計 https://pca.jp/
トライアルあり
IT導入補助金対象
上場企業導入実績あり
PCAクラウド会計は、ピー・シー・エー株式会社が提供するクラウド型会計ソフトです。長年にわたって企業の会計・基幹業務を支えるソリューションを提供してきた実績があります。クラウド版はインターネット経由で利用でき、サーバー管理不要で導入できる点が特長です。
日々の伝票入力から元帳・試算表・決算書の作成までの経理業務をカバーする機能を備えています。仕訳の承認機能や部門階層管理、自動仕訳処理、豊富な管理帳票など、中堅・中小企業のニーズに応じた実務機能が充実しています。APIやCSV・ファイル取込などを通じた外部データ連携にも対応し、口座取引・クレジットカード取引の自動仕訳作成などで も業務効率化を支援します。
小売業での導入では、取引数が多い日々の会計処理を一貫してクラウド上で管理し、複数拠点や担当者でのデータ共有も容易になるため、経理負担の軽減とリアルタイムな経営数値の把握に役立ちます。業務のクラウド化・デジタル化を進めたい中堅・中小企業にも適した会計ソリューションです。
主な機能
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- 電子帳簿保存法対応
- 勘定科目のCSVインポート機能
導入検討者の共通課題!小売業向け会計ソフトはこんな方におすすめ

小売業向け会計ソフトは、「クラウド化したい」「DXを進めたい」といった抽象的な理由だけで選ぶよりも、日々の売上管理や経理処理で発生している具体的な負担を解消できるかという視点で検討するほうが、導入効果を実感しやすくなります。
小売業は、現金・クレジットカード・電子マネーなど複数の決済手段が混在し、日次で多数の取引が発生する業態です。さらに、店舗ごとの売上管理や在庫・仕入との連動、軽減税率対応など、会計処理が複雑になりやすい特徴があります。
以下のような状況に心当たりがある小売事業者は、会計ソフトの導入・見直しを優先的に検討すべきタイミングといえるでしょう。
導入をおすすめしたい「業務・社内体制の課題」
- 会計処理や売上集計をExcel中心で行っている小売事業者
POSデータや売上日報をExcelに転記して集計している場合、更新・確認・修正の手間が増えやすくなります。手作業が多いほど入力ミスや集計漏れのリスクも高まり、月次決算時の確認工数が膨らみます。
「この人しか処理方法を理解していない」状態では、退職や休職が発生した場合に業務が停滞する可能性があります。クラウド会計ソフトによるデータ共有や操作履歴管理は、業務の標準化・属人化防止につながります。
複数店舗を展開している場合、売上計上方法や経費処理ルールが店舗ごとに異なると、経理側での確認・修正作業が増加します。処理基準をシステム上で統一することは、数字の整合性確保と決算早期化に直結します。
食品を扱う小売業では、標準税率と軽減税率が混在します。現在の運用で税区分が正しく処理できているか不安がある場合、会計ソフトによる自動計算・区分管理はリスク低減につながります。
導入をおすすめしたい「会計処理・数字管理の課題」
来店客数やEC売上の増加に伴い、仕訳件数が増えると手作業中心の管理では限界が生じます。銀行口座やクレジットカード、POSとのデータ連携による自動仕訳は、処理時間の短縮と正確性向上を実現します。
- 店舗別、商品カテゴリ 別の収益を把握できていない事業者
どの店舗・商品が利益に貢献しているかをタイムリーに把握できなければ、仕入計画や価格設定の最適化が難しくなります。部門別・店舗別管理機能は、改善ポイントの特定を容易にします。
- POSやECシステムからの転記を手入力している事業者
売上データを会計ソフトへ手入力している場合、二重入力や仕訳ミスが発生しやすくなります。自動連携機能を活用することで、入力工数の削減と人的ミスの防止が期待できます。
月次締めに時間がかかると、利益状況や資金繰りの把握が遅れ、仕入調整や販促判断が後手に回ります。リアルタイムで試算表やレポートを確認できる環境は、迅速な意思決定を支えます。
小売業が会計ソフトを選ぶ際に確認すべき5つのポイント

小売業で会計ソフトを選ぶ際は、一般的な「使いやすさ」や「価格」だけでは不十分です。
POSレジやECとのデータ連携、多店舗管理への対応など、小売特有の業務構造に適しているかどうかを基準に判断する必要があります。
特に、販売チャネルが複数ある場合や取引件数が多い場合は、連携機能や管理機能の差が業務負担に直結します。ここでは、小売業が事前に確認すべき5つの具体的なポイントを解説します。
POSレジとの連携可否(Square、Airレジ、スマレジ対応)
小売業において最優先で確認すべきなのが、利用中のPOSレジと公式連携できるかどうかです。
Square、Airレジ、スマレジなどの主要POSは、クラウド会計ソフトとAPI連携に対応しているケースがあります。ただし、すべての会計ソフトがすべてのPOSと標準連携できるわけではありません。
重要なのは、単に「連携可能」と記載されているかではなく、
日次で売上が自動反映されるのか、CSV取込が必要なのか、自動仕訳まで対応しているのかといった運用レベルです。POS連携の質は、月次締めのスピードと入力ミス削減に直結します。
実店舗とネットショップを併用している場合、EC売上をどのように取り込むかは重要な論点です。
BASEや
STORESなどのECサービスでは、注文データや入金データ、販売手数料が発生します。これらを個別にExcel処理していると、取引件数の増加に比例して確認工数が増えます。
会計ソフトによってはAPI連携により自動取得が可能ですが、CSVアップロードが前提となる製品もあります。さらに、手数料や決済方法別の仕訳に対応しているかどうかも確認すべきポイントです。EC比率が高い事業者ほど、この機能の差は業務負担に影響します。
複数店舗を展開している場合、全社合算の数字だけでは十分な経営判断ができません。
店舗別、あるいは部門別に損益を把握できる機能があるかどうかは重要です。部門管理に対応していれば、店舗ごとの売上や経費を区分して管理でき、不採算店舗の早期発見や改善施策の立案がしやすくなります。
将来的に店舗数が増える可能性がある場合も、拡張性のある管理機能を備えた製品を選ぶことが望ましいでしょう。
会計ソフトには、クラウド型とインストール型(デスクトップ型)があります。
比較 | クラウド型 | インストール型 |
|---|
導入形態 | ブラウザ利用 | PCにインストール |
初期費用 | 比較的低い | 高め |
アップデート | 自動対応 | 手動対応 |
複数拠点利用 | 容易 | 環境構築が必要 |
現在は、POSやECとの連携を前提とする場合、クラウド型が主流です。
一方で、社内サーバー管理や高度なカスタマイズを重視する企業では、インストール型が選ばれることもあります。自社のIT環境や運用体制に合わせて選択することが重要です。
小売業は取引件数が多く、消費税の税区分管理も複雑になりがちです。インボイス制度や電子帳簿保存法への対応は、現在の会計環境では必須条件といえます。
会計ソフトが制度改正に継続的に対応しているかどうか、サポート体制(電話・チャット・税理士連携など)が整っているかも確認しておく必要があります。
制度対応が不十分な製品を選んだ場合、決算や申告時に追加対応が発生する可能性があります。

小売業では、POSレジに日々蓄積される売上データをどのように会計処理へ反映させるかが、業務効率と数字の正確性を左右します。現在、多くのクラウド型会計ソフトはSquare、Airレジ、スマレジなどの主要POSとAPI連携に対応しており、売上データの自動取得が可能です。
POSと会計ソフトを連携させることで、単なる入力作業の削減にとどまらず、月次決算の早期化や経営数値の可視化につながります。ここでは、実務上の具体的なメリットを解説します。
従来、POS売上をCSV出力し、会計ソフトへ手入力またはアップロードしている 場合、日次・月次の集計や突合作業に時間がかかります。API連携により売上データが自動反映される仕組みを構築すれば、転記作業が不要になります。
これにより、次のような効果が期待できます。特に取引件数の多い小売業では、工数削減の影響が大きくなります。
- 日次売上の確認作業が簡略化される
- 月次締め時の集計、入力時間が短縮される
- 繁忙期でも処理遅延が起きにくくなる
POS連携に対応した会計ソフトでは、決済方法や税区分ごとに仕訳ルールを設定できる場合があります。例えば、現金・クレジット・電子マネーを自動で区分し、それぞれ適切な勘定科目へ振り分けることが可能です。
手入力中心の運用 では、勘定科目の選択ミスや金額入力の誤りが発生しやすく、修正対応の工数が増えます。自動仕訳を活用することで、こうしたヒューマンエラーの発生を抑え、帳簿の整合性を維持しやすくなります。
POSデータが会計ソフトへ随時反映される環境では、売上状況をタイムリーに確認できます。月次決算を待たずに売上推移を把握できるため、販売施策の効果検証や在庫調整の判断を早めることが可能です。
多店舗展開している企業の場合は、店舗別の売上状況を迅速に把握できることが、改善施策のスピード向上につながります。数字を早く正確に把握できる体制は、小売業における競争力の基盤となります。
POSレジのサービスを比較したい方は、上記の記事を参考にしてください。
【2026年】POSレジ比較一覧42選!価格や特徴を徹底調査|業界DX最強ナビ
小売業向け会計ソフトの費用相場は月額1,000円~数万円程度

小売業向け会計ソフトの費用は、利用規模や必要機能によって大きく異なります。一般的なクラウド型会計ソフトの場合、個人事業主向けプランで月額1,000円台〜、法人向けで月額3,000円〜数万円程度が相場です。
多店舗管理や部門別管理、外部サービス連携が必要になると上位プランの利用が前提となり、月額費用は上がる傾向にあります。また、インストール型(買い切り型)の場合は初期費用が高くなる点も考慮が必要です。
個人経営の小規模店舗であれば、クラウド型会計ソフトのエントリープランで十分対応できるケースが多く見られます。費用目安は以下の通りです。
エントリープランの費用目安
- 月額1,000円〜3,000円程度
- 年額払いで割引が適用される場合あり
この価格帯では、基本的な仕訳機能、銀行口座連携、簡易的なPOS連携などが利用可能です。実店舗のみで運営している場合や、取引件数がそれほど多くない場合は、上位プランを選択しなくても運用できることが一般的です。
複数店舗を展開している法人では、部門別管理やユーザー追加機能が必要になります。その場合、法人向け上位プランの利用が前提となります。
法人向け上位プランの費用目安
- 月額10,000円〜30,000円程度
- ユーザー追加ごとに課金される場合あり
さらに、API連携数やデータ件数に応じて料金が変動する製品もあります。店舗別損益を把握するための部門管理機能は上位プラン限定であるケースが多いため、導入前に確認が必要です。
POSレジとの連携は、標準機能に含まれる場合と、外部連携サービスを経由して追加費用が発生する場合があります。
外部連携サービスでの追加費用目安
- 月額1,000円〜5,000円程度(連携サービス利用料)
- 連携先ごとに課金されるケースあり
また、ECモールとの自動連携も同様に、オプション料金が発生する場合があります。利用中のPOS・ECとの連携が標準対応か、追加費用が必要かは事前に確認しておくべきポイントです。
クラウド型は月額課金制が一般的で、初期費用は比較的低額です。一方で、利用を継続する限りランニングコストが発生します。
インストール型( 買い切り型)は、初期費用として数万円〜十数万円程度が必要になることが多く、保守契約費用が別途発生する場合もあります。ただし、長期利用した場合の総コストはクラウド型と大きく変わらない、あるいは安くなるケースもあります。
近年は法令改正への自動対応やPOS、ECとのAPI連携を前提とする小売業が増えているため、更新や外部連携に強いクラウド型を選ぶ企業が増加傾向にあります。
小売り業界向け会計ソフトの導入シーンと実際の活用事例
ここでは、小売業界で会計ソフトがどのような課題解決を目的に導入され、実務の中でどのように活用されているのかを、小売業界でよく見られるシーン別にご紹介します。自校・自社の状況と重ねながら読むことで、導入後の運用イメージを持ちやすくなります。
アパレル店舗では、日々の販売点数が多く、返品や値引き処理も発生します。POSレジで売上管理を行い、会計ソフトへは手入力している場合、日次売上の集計や月次締め時の突合作業に時間がかかる傾向があります。特にセール期間中は取引件数が急増し、経理担当者の負担が高まります。
このような背景から、POSとAPI連携可能なクラウド会計ソフトを導入し、売上データを自動反映する体制へ移行する事業者があります。
導入後は、日次売上が自動で仕訳データとして反映されるため、転記作業が不要になり、月次締めまでの期間が短縮されたとされています。売上推移を早期に確認できるようになり、在庫補充や値引き施策の判断にも活用されています。
飲食店でテイクアウトやデリバリーを併用している場合、店内売上、テイクアウト、オンライン注文など複数チャネルの売上が発生します。さらに、現金・クレジット・QR決済など決済方法も多様化しています。
これらを手作業で仕訳処理している場合、税区分や入金タイミングの違いにより確認作業が煩雑になります。そのため、POSデータと連携し、決済方法別に自動仕訳できる会計ソフトを導入するケースがあります。
導入後は、決済方法ごとに自動で仕訳が振り分けられるため、入力ミスが減少し、税区分の確認作業も簡素化されたとされています。売上チャネル別の数字も把握しやすくなり、テイクアウト比率の変化を分析する材料として活用されています。
実店舗とネットショップを併用している小売事業者では、店舗売上はPOS、EC売上はモール管理画面で確認し、会計処理は別途行うケースが見られます。この場合、全体売上を把握するまでにタイムラグが生じやすく、チャネル別の収益性分析も手間がかかります。
そのため、ECモール(例:BASE等)と連携可能な会計ソフトを導入し、売上データを一元管理する体制へ移行する事業者があります。
導入後は、実店舗とEC売上を同一画面上で確認できるようになり、チャネル別の売上構成比を月次で把握できるようになったとされています。広告費の投下先や在庫配分の見直しを、数字に基づいて判断しやすくなったという評価があります。
複数店舗を運営している企業では、各店舗で売上管理を行い、本部でExcel集計しているケースがあります。この運用では、店舗別損益の把握に時間がかかり、不採算店舗の特定が遅れる可能性があります。
こうした課題を背景に、部門別管理機能を備えた会計ソフトを導入し、店舗単位で損益を把握できる体制へ移行する事業者があります。
導入後は、店舗別の売上・経費を区分して管理できるようになり、月次で店舗間比較が可能になったとされています。本部での再集計作業が減少し、経営会議用資料の作成時間も短縮されたという運用効果が報告されています。

会計ソフトは導入して終わりではなく、日々の運用設計が成果を左右します。
特に小売業では、POSやECとのデータ連携を前提とするケースが多いため、初期設定や運用ルールが不十分だと、かえって確認作業が増えることもあります。ここでは、導入後に想定される運用イメージと、実務上注意すべきポイントを解説します。
会計ソフトの効果を最大化するには、導入初期の設計が重要です。特に小売業では、現金・クレジット・電子マネー・QR決済など決済手段が多様であり、それぞれ入金タイミングも異なります。
仕訳ルールを明確に定義しないまま運用を開始すると、月次締め時に修正が集中する可能性があります。
導入時は、税理士や会計担当者と連携しながら勘定科目や補助科目を整理することが現実的な対応です。
会計ソフトは、経理部門だけでなく店舗責任者や管理部門との連携が必要になる場合があります。そのため、操作方法や運用フローを共有し、社内ルールとして定着させることが重要です。具体的には、売上データの確認タイミング、修正対応の責任範囲、月次締めのスケジュールを明確にしておくことで、業務の属人化を防ぎやすくなります。
また、クラウド型の場合は複数ユーザーで同時利用できるため、閲覧権限と編集権限を適切に設定することも重要です。
現在のクラウド型会計ソフトの多くは、税理士を招待ユーザーとして追加し、同一データをオンライン上で共有できる仕組みを備えています。従来のように帳簿データをメールで送付したり、紙資料を持参したりする必要がなくなり、修正点の確認や決算対応を効率化できます。
一方で、税理士側が特定ソフトに対応しているかどうかは事前確認が必要です。顧問税理士との利用環境をすり合わせておくことで、導入後の運用トラブルを避けやすくなります。
小売業の会計ソフト選定では、機能の多さよりも「売上データをどこまで自動化できるか」が重要です。POSやECと連携し、売上を自動反映・自動仕訳できる環境を整えることで、転記作業の削減や月次決算の早期 化が実現しやすくなります。
あわせて、店舗別管理機能や法令対応状況、税理士との共有のしやすさも確認しておくべきポイントです。販売チャネルや店舗規模を整理したうえで、売上自動化を軸に比較することが、小売業にとって最適な会計ソフト選びにつながります。
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