教育業界向けeラーニングシステムおすすめ10選|選び方と導入ポイントを解説
更新日 2026年02月27日
学校や塾、資格スクール、企業研修など、教育現場においてオンライン学習の活用は急速に広がっています。しかし、eラーニングシステムと一口にいっても、動画配信中心のツールから、成績管理や学習履歴の蓄積まで行えるLMSまで種類はさまざまです。「どこまで管理できるのか」「授業運営に支障は出ないか」「講師が使いこなせるのか」といった観点で比較しないと、導入後に運用が定着しないケースも少なくありません。
本記事では、教育業界での運用を前提に、おすすめのeラーニングシステムを比較して紹介します。さらに、教育機関ならではの選び方や注意点、具体的な活用イメージも解説し、導入判断に必要な情報を整理します。
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まずは、教育業界向けにおすすめのeラーニングシステムをご紹介します。
Cloud Campus
株式会社サイバー大学
出典:Cloud Campus https://cc.cyber-u.ac.jp/
Cloud Campusは、株式会社サイバー大学が提供する教育機関向けeラーニングシステムです。大学の通信教育で培われたノウハウをもとに開発されており、学校法人や専門学校、研修センターなど「授業としてのオンライン教育」を前提に設計されている点が特徴です。
学生数が多い環境でも安定して運用でき、対面授業とオンライン授業を併用するブレンディッドラーニングにも対応。出席・成績・教材配布・テストまでを一元管理でき、教育機関が求める授業運営システムとして利用できます。
レポート課題や小テストの実施、履修管理、講義動画配信などをまとめて行えるため、大学・専門学校におけるデジタル授業基盤として導入しやすいサービスです。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(iOS)対応
ALC NetAcademy NEXT
株式会社アルク
出典:ALC NetAcademy NEXT https://www.alc-education.co.jp/nanext/
ALC NetAcademy NEXTは、株式会社アルクが提供する語学教育に特化したeラーニングサービスです。大学・高校・専門学校における英語教育のオンライン化を目的に設計されており、英語4技能(読む・聞く・書く・話す)をバランスよく学習できるカリキュラムが用意されています。
プレイスメントテストにより学生のレベルを判定し、習熟度別学習を実施できる点が特徴。学習進捗や理解度は管理画面から教員が確認でき、授業の補助教材としてだけでなく、課外学習やリメディアル教育にも活用できます。
小テスト・確認問題・リスニング課題の自動採点機能により、教員の採点負担を軽減しながら継続的な学習を促進。留学準備教育や資格試験対策にも対応でき、語学教育の標準化と学習習慣の定着を支援します。
主な機能
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
Moodle
株式会社イオマガジン
出典:Moodle https://www.io-maga.com/system.html
Moodle LMSは、Moodle Pty Ltdが提供・開発するオープンソース型の学習管理システムです。世界中の大学で利用されている教育用LMSで、教育機関が独自の授業運営環境を構築できる自由度の高さが特徴です。
教材配布、フォーラム、オンラインテスト、レポート提出、出席管理など、教育現場の授業に必要な機能を標準で装備。プラグインを追加することでオンライン試験監督や外部ツール連携も可能で、教育方針に合わせたカスタマイズができます。
教員は講義資料の掲載やディスカッション授 業を行え、学生は課題提出や共同学習をオンライン上で実施可能。反転授業やアクティブラーニングの基盤としても利用されており、教育設計の自由度を重視する学校法人に適したLMSです。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- クラウド(SaaS)
- ISMS
- シングルサインオン
KnowledgeDeliver
株式会社デジタル・ナレッジ
出典:KnowledgeDeliver https://www.digital-knowledge.co.jp/product/kd/
KnowledgeDeliverは、株式会社デジタル・ナレッジが提供する教育機関向けeラーニングシステムです。大学・高校・塾などでの授業配信や通信教育に対応しており、履修管理・成績管理・教材配信をまとめて行えます。
SCORM教材に対応し、既存教材をそのまま活 用できる点が特徴です。出席状況やテスト結果は自動で蓄積され、教員は学生の理解度を把握しながら指導が可能。オンライン試験やレポート提出、アンケート機能も備え、授業評価にも活用できます。
さらにライブ配信とオンデマンド配信を併用でき、遠隔授業や公開講座にも対応。学内授業だけでなく社会人教育や資格講座の提供基盤としても活用できる、教育事業向けの本格LMSです。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
ネットラーニング
株式会社ネットラーニング
出典:ネットラーニング https://www.netlearning.co.jp/
ネットラーニングは、株式会社ネットラーニングが提供する教育機関・教育事業者向けeラーニングサービスです。公開講座や通信教育、社会人教育の運営基盤として活用されており、教材配信から受講管理、成績管理までを一体で運用できます。
受講申込管理や受講料決済にも対応しているため、外部受講者を対象とした講座提供にも適しています。講義動画の配信、確認テスト、修了証発行などの機能を備え、講座の体系的な運営が可能。履修履歴の蓄積により学習成果を把握でき、教育プログラムの改善にも活かせます。
学校法人がリカレント教育や社会人向け講座を展開する際の基盤として導入しやすいサービスです。
moca
株式会社タイムインターメディア
出典:moca https://www.timedia.co.jp/service/edu/moca/
mocaは、株式会社ワークアカデミーが提供する教育機関向けeラーニングプラットフォームです。専門学校や職業教育分野での活用を想定しており、講義動画配信と課題管理を中心にシンプルに運用できる設計になっています。
学生はスマートフォンから受講でき、通学外の学習時間を確保しやすい点が特徴。教員は教材配布、出席確認、課題提出、テスト実施をオンラインで管理可能です。授業前の予習教材や実習前の知識確認にも活用でき、授業理解度の底上げにつながります。
対面授業と組み合わせることで反転授業を実施でき、実技教育の時間を確保しやすくなる点もメリットです。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- ISMS
Learning Ware
株式会社プロシーズ
出典:Learning Ware https://www.pro-seeds.com/lms/
LearningWareは、株式会社プロシーズが提供する教育事業者向けLMSです。学校法人や資格スクール、通信教育での利用を想定しており、大規模受講者の管理に対応します。
講座販売、受講者登録、教材配信、テスト実施、修了判定までを一元管理でき、オンライン講座運営の基盤として活用可能です。動画授業の配信やオンライン試験、レポート採点機能を備え、講座の体系的な運営が可能。学習履歴の蓄積により到達度を把握でき、指導改善にも役立ちます。
資格講座や通信制教育など、継続的に受講者を管理する教育機関に適したシステムです。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(iOS)対応
eラーニングライブラリ
株式会社日本能率協会マネジメントセンター
出典:eラーニングライブラリ https://www.jmam.co.jp/hrm/elearning_lib/
eラーニングライブラリは、株式会社日本能率協会マネジメントセンターが提供する学習コンテンツ配信サービスです。学校におけるキャリア教育やビジネス基礎教育の補助教材として利用でき、社会人基礎力・マナー・情報リテラシーなどの講座を提供します。
動画中心の教材で構成され、学生は空き時間に繰り返し学習が可能。確認テストにより理解度を把握でき、授業外学習の管理にも活用できます。
就職支援教育やキャリア科目の教材として導入しやすく、教員が教材を作成しなくても体系的な学習機会を提供できる点が特徴です。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
learningBOX
株式会社龍野情報システム
出典:learningBOX https://learningbox.online/
learningBOXは、learningBOX株式会社が提供するクラウド型LMSです。学校法人や塾での利用を想定したシンプルな操作性が特徴で、小テストやドリル教材の配信に適しています。
問題作成機能が充実しており、教員は選択式・記述式・穴埋めなどのテストを簡単に作成可能。自動採点機能により採点業務を削減できます。学習履歴の記録やランキング表示により学習意欲を促進し、補習や定着度確認に活用できます。
授業の確認テストや資格対策講座、リメディアル教育など、継続的な反復学習を支援する教育向けeラーニングシステムです。
主な機能
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- オンプレミス(パッケージ)
- クラウド(SaaS)
KnowledgeDeliver
株式会社デジタル・ナレッジ
出典:KnowledgeDeliver https://www.digital-knowledge.co.jp/product/kd/
KnowledgeDeliverは、株式会社デジタル・ナレッジが提供する教育機関向けクラウド型LMSです。大学・専門学校・高校などでの導入を想定し、教材配信だけでなく出席・課題・成績をまとめて管理できる授業運営基盤として利用できます。対面授業とオンライン学習を組み合わせたブレンディッドラーニングにも対応し、ICT教育環境の整備に適したシステムです。
講義動画配信、資料配布、課題提出、試験、出席・成績管理までを一つのシステムで実施可能。講義・学年単位で受講権限を設定でき、履修登録に応じた教材公開や課題管理を自動化できます。
PCやスマートフォンから受講でき、補講・再履修、入学前教育、資格講座など幅広い教育用途に対応します。学習状況を可視化できるため、未受講者の把握や学習フォローにも役立ちます。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり

eラーニングシステムとは、インターネットを通じて教材の配布や講義の受講、テストの実施などを行える学習支援システムのことです。受講者はパソコンやタブレットから学習でき、管理側は受講状況を把握できます。
企業研修などでも利用されますが、教育機関で用いる場合は特徴が少し異なります。学校や塾では、単に講義を配信するだけでなく、履修状況の確認、課題提出、成績評価、学習履歴の保存といった教育管理が欠かせません。そのため教育用途では、授業運営と評価記録まで扱えるLMS(学習管理システム)が中心となり、対面授業を補完する教育基盤として活用されます。
教育業界でeラーニングシステム導入が進んでいる背景
近年、教育現場では対面授業だけで学習機会を確保することが難しくなりつつあります。欠席者への補講対応や自宅学習の支援、遠隔地の受講者への講座提供など、柔軟な教育提供が求められるようになりました。
また、講師ごとの教え方に依存していた内容を教材として蓄積し、継続的に活用したいという運営面のニーズも高まっています。こうした変化に対応する手段として、学習状況を把握できるeラーニングシステムの導入が進んでいます。
主な導入理由
- 欠席者フォローや補講をオンラインで実施できる
- 自宅学習や反転授業に対応できる
- 教材や授業内容をデータとして蓄積できる
- 地域外の受講者にも講座を提供できる
- 社会人教育・リスキリング講座へ展開しやすい
これらの背景には、学習の「場所」と「時間」に制約を設けない教育への転換があります。特に塾やスクールでは、通学回数に依存しない指導体制を整えることで受講継続率の向上が期待されています。
学校教育においても、家庭学習の把握や個別指導の補助として活用される例が増えています。単なるオンライン化ではなく、学習履歴を活用した指導改善の基盤として導入が進んでいる点が特徴です。
eラーニングシステムと混同されやすいのが、LMS(Learning Management System:学習状況を管理する仕組み)と動画配信ツールです。動画配信ツールやWeb会議は講義を実施するための手段で、映像の視聴やライブ授業に対応できます。
一方、LMSは受講者ごとの学習履歴、課題提出状況、テスト結果を記録し、教育活 動の管理を行う仕組みです。
教育用途のeラーニングシステムは、このLMSを中核に動画配信機能を組み合わせたものと考えると分かりやすいでしょう。
講義配信だけでは、受講状況や理解度までは把握できません。出席認定や成績評価を行う教育機関では、学習履歴を記録・確認できる管理機能が必要になります。動画配信が「授業の実施」を担うのに対し、LMSは「学習の管理」を担い、eラーニングシステムは両者を組み合わせた教育基盤として機能します。

教育機関におけるeラーニングシステムは、単なるオンライン教材配信ツールではありません。授業運営・学習管理・評価・連絡までを一体で管理できる点が特徴です。
とくに学校・塾・専門学校では「授業を届ける」「学習状況を把握する」「指導・フォローする」という一連の教育活動をシステム上で完結できるかが重要になります。
機能カテゴリ | 具体的にできること | 教育現場での活用例 |
|---|
教材配布・講義配信 | 動画授業の配信、録画アーカイブ公開、PDF・スライド教材の配布、オンライン講義の管理 | 欠席した生徒が後から授業を視聴/塾の振替授業の代替/大学のオンデマンド講義 |
受講管理 | 学年・クラス・講座単 位での登録、受講権限設定、教員・生徒の権限分け、年度更新 | 新年度のクラス替えを一括反映/選択科目の受講者のみ教材配布/コース別カリキュラム管理 |
テスト・課題・評価管理 | 小テスト作成、課題提出、レポート回収、自動採点、再提出管理、成績一覧管理 | 宿題提出のオンライン化/理解度確認テストの実施/成績評価の集計作業を自動化 |
学習進捗・履歴管理 | 視聴時間・受講履歴の記録、未受講者抽出、理解度の把握、フォロー対象の特定 | 学習が遅れている生徒の早期フォロー/不登校生徒の学習状況把握/保護者面談資料の作成 |
修了・単位・資格管理 | 修了 証発行、出席要件管理、単位認定、資格講座の履修管理 | 大学の単位授業の管理/専門学校の資格講座運営/講座修了証の自動発行 |
連絡・通知・保護者共有 | お知らせ配信、未提出通知、メッセージ機能、保護者アカウント共有 | 宿題未提出の通知/休講・補講連絡/面談日程の案内/保護者との情報共有 |
このように、eラーニングシステムは「授業配信ツール」ではなく、教育活動の運営基盤として機能します。学習履歴の可視化によって指導の精度を高められるほか、課題回収や成績集計、連絡対応など教員の事務作業も大幅に削減できます。結果として、教員が生徒指導や個別フォローに時間を割けるようになり、教育の質向上にもつながります。

eラーニングシステムと一口にいっても、教育機関の目的によって必要な機能は大きく異なります。学校の授業運営を支えるものもあれば、講座配信や資格講座の管理に特化したものも存在します。自校の教育形態に合ったタイプを理解することが、導入後の定着と活用度を左右します。
ここからは、さらに詳しくそれぞれのタイプについて解説します。
授業運営・成績管理まで行う「学習管理(LMS)一体型」
LMS(Learning Management System:学習管理システム)一体型は、授業配信から成績管理までを包括的に扱えるタイプです。出席管理、課題提 出、テスト、成績評価、進級判定といった学校運営に必要な機能を一つの環境で管理できます。大学や専門学校、通信制高校など、単位認定や成績評価が必要な教育機関で多く採用されています。
特徴は「授業の実施」と「学習の管理」が密接に結び付いている点です。受講履歴や提出状況が自動記録されるため、教員は学生の理解度や学習態度を客観的に把握できます。対面授業とオンライン授業を組み合わせたブレンド型教育(対面とオンラインを併用する教育)とも相性がよく、学校教育の基盤として利用されるケースが増えています。
動画配信型は、講義動画の公開や視聴管理に重点を置いたタイプです。あらかじめ録画した授業や解説動画を配信し、受講者が好きな時間に視聴できるオンデマンド学習を実現します。予備校・資格スクール・オンライン講座など、場所や時間の制約を減らしたい教育サービスで広く活用されています。
リアルタイム授業に比べて運営負担が小さく、同一コンテンツを多人数へ提供できる点が利点 です。倍速再生や視聴履歴の記録など、学習効率を高める機能も重視されます。一方で、成績評価や細かな指導管理は限定的な場合が多く、学校教育の成績管理用途には別システムとの併用が必要になることもあります。
テスト・課題・理解度チェックを重視した「演習・評価特化型」
演習・評価特化型は、問題演習や理解度確認を中心に設計されたタイプです。オンラインテスト、ドリル学習、レポート提出、自動採点、弱点分析などの機能が充実しており、学習成果の測定に強みがあります。学習塾や資格試験対策講座、リメディアル教育(基礎学力補習)で採用されることが多い形式です。
学習履歴のデータを基に、苦手分野の抽出や個別課題の提示が可能になるため、個別指導と相性が良いのが特徴です。単なる教材配信では把握しづらい「理解しているか」を可視化でき、指導の精度向上に寄与します。授業配信機能は最小限のことが多く、講義中心の運用には他のタイプと併用されるケースも見られます。
受講履歴・修了管理を目的とした「研修管理・履歴管理型」
研修管理・履歴管理型は、受講状況の記録や修了判定を主目的とするタイプです。受講履歴、修了証発行、受講期限管理、必修講座の割当てなどの管理機能が中心となります。専門学校の必修講座管理や、教育機関内の教職員研修、資格更新講習などで利用されることが多い形態です。
学習内容の提供よりも「誰が受講したか」を正確に管理する点に重点があります。監査や資格要件の確認が必要な講座では、履歴を証跡(記録として証明できるデータ)として残せることが重要です。成績評価や高度な教材配信機能は限定的ですが、管理業務の効率化と記録の信頼性確保に優れています。
講座販売・会員管理と連動する「コンテンツ販売・スクール運営型」
コンテンツ販売・スクール運営型は、講座販売や受講料管理と連動したタイプです。会員登録、決済、受講権限の付与、継続課金などを一体で管理でき、オンラインスクールや通信講座の運営基盤として利用されます。教育事業をサービスとして提供する事業者に適してい ます。
受講者の申し込みから受講開始までを自動化できるため、事務対応の負担を大幅に削減できます。キャンペーンやコース販売などのマーケティング機能を備える製品もあり、教育とビジネスの両面を支援します。学校教育用途にはやや過剰な場合もありますが、塾や民間スクールでは導入効果が出やすいタイプです。

教育機関での導入では、機能の多さより「日常業務に無理なく組み込めるか」が重要になります。授業運営、成績管理、年度更新など教育特有の運用を想定して選定する必要があります。ここでは教育現場で特に差が出やすいチェックポイントを整理します。
eラーニングシステムを教育用途で利用する場合は、組織単位での管理機能が備わっているかを優先的に確認する必要があります。学校教育では、個人単位だけでなく学年・クラス単位の管理が不可欠。クラス別に教材を配布したり、選択科目ごとに受講権限を分けたりできるかを確認してください。単純なユーザー登録型システムでは、毎回個別設定が必要 になり運用負荷が増大します。
また、進級やクラス替えの際に一括更新ができるかも重要です。年度替わりに大量の受講者情報を手作業で変更する仕組みでは、教務担当者の負担が大きくなります。
eラーニングシステムを比較する際は、教材登録、課題設定、成績確認が数ステップで行えるかを確認しましょう。教育現場では、IT専任担当者がいないケースも珍しくありません。講師自身が教材登録や課題設定を行うため、操作の分かりやすさは定着率に直結します。管理画面が複雑だと、機能があっても活用されず形骸化してしまいます。
マニュアルを読まなくても操作できるUI(ユーザーインターフェース:画面の使いやすさ)が理想です。体験版やデモ環境を利用し、実際に教員が触れて評価することが重要です。
eラーニングシステムを比較する際は、自校の評価基準に対応できるかを事前に確認しましょう。教育機関では、択一式テストだけでなくレポート評価、提出物評価、平常点など多様な評価方法が存在し、自動採点のみのシステムでは、記述式評価が難しい場合があります。
また、再提出や追試、締切延長などの運用に対応できるかも重要。評価方法に合わないシステムを選ぶと、結局紙や別ツールで補完することになり二重管理が発生します。教育制度に合わせた評価設定が可能かを必ず確認しましょう。
学籍情報の一括登録、進級処理、卒業者のアーカイブ化が容易に行えるかも必ず確認しましょう。教育機関では毎年必ず学生が入れ替わります。この年度更新作業の負荷は、導入後に大きな差となって表れます。
CSV一括取込(表形式データの登録)や、過去データを保持したまま新年度環境を作れる機能があると運用が安定します。年度更新に数日かかるような仕組みでは、担当者の負担が大きくなります。日常運用だけでなく年次業務まで想定して選定することが重要です。
教育機関では、学習管理と同時に連絡業務も重要です。お知らせ配信、未提出通知、メッセージ機能などが備わっているか確認しましょう。塾や初等教育では保護者への情報共有も重要な要素になります。
また、課題未提出の自動通知や、面談案内の配信が行えると教員の負担が大きく減ります。外部の連絡ツールに頼る場合、情報が分散し対応漏れが発生しやすくなります。学習管理と連絡機能が統合されているかは、教育用途では見逃せないポイントです。
既存システムとの連携可否も重要です。学校では校務支援システム、塾やスクールでは会員管理・請求管理システムを利用しているこ とが多く、手動転記が必要だと業務負担が増えます。
連携の可否をチェックする際は、API連携(システム同士の自動連携)やCSV連携に対応しているかを確認してください。特に受講権限の自動付与や退会処理の自動化ができると、事務作業の効率が大きく向上します。導入時だけでなく、長期運用の効率を左右する重要な視点です。

続いては、eラーニングシステムの導入事例をご紹介します。
eラーニングで大規模AI教育プログラムを実現した事例
関西学院大学では、文理横断でAI・データサイエンスを活用できる人材育成を目的に、全学部生向け「AI活用人材育成プログラム」を開講しました。しかし受講希望者が急増し、対面授業では定員拡大が難しく、教育機会を十分に提供できないことが課題となっていました。
そこで同大学は、株式会社プロシーズのLMS「LearningWare」を導入し、基礎3科目をeラーニング化。知識習得はオンライン、応用演習は対面指導とするブレンディッドラーニングを構築しました。
導入にあたっては、大学科目としての成績評価の信頼性を重視し、SSO認証と顔認証を組み合わせた本人確認や、ランダム出題・制限時間付きテストにより不正やなりすましを防止。また、トークボードや問い合わせ管理機能により学生同士の交流や質問対応も円滑化しました。
結果として、2021年度には2,000名を超える学生が受講可能となり、場所や時間にとらわれない学習環境を実現。大規模履修に対応しながら学習体験の質を高め、AIリテラシー教育の基盤として活用されています。
出典:株式会社プロシーズ「LearningWare」の活用事例・導入事例「関西学院大学」
eラーニングで授業と連動した基礎学力の底上げを実現した事例
新居浜工業高等専門学校では、ものづくり人材育成を目的にJMAMeラーニングを授業と併用して活用しています。電子制御工学科の専門科目にeラーニングを組み込み、学生間の理解度のばらつき解消と基礎知識の定着を図りました。
導入の背景には、学生の学力が二極化し、基礎が十分でないまま上級科目へ進んでしまう課題がありました。体験版を確認したうえで採用し、復習教材として自宅や寮、校内PCで学習できる環境を整備しています。
さらにシラバスにeラーニング活用を明記し、「定期試験70%」「課題等20%」「eラーニング受講状況10%」として成績評価に反映。修了率は約90%に達し、学習意欲の向上と基礎力の底上げを両立しました。授業の補助教材として制度的に組み込むことで、専門教育における継続的な学習を促進した事例です。
出典:株式会社日本能率協会マネジメントセンター「JMAMeラーニング」の導入事例「独立行政法人国立高等専門学校機構 新居浜工業高等専門学校」
まとめ|教育に合ったeラーニング システム選定が運用定着を左右する
eラーニングシステムは多機能であるほど良いわけではありません。教育機関では、授業運営や評価制度、年度更新といった独自の業務に適合するかが重要になります。目的に合わないシステムを導入すると、結局紙運用や別ツールが残り、教員の負担が増えてしまいます。
タイプの違いを理解し、自校の教育形態に合うかを確認することが選定の第一歩です。そのうえで、操作性や連携性、管理機能まで具体的に検証すると導入後のトラブルを防げます。
また、実際の運用担当者が試用し、日常業務に無理なく組み込めるかを見極めてから導入を進めることが、定着と教育効果の向上につながります。